[原子力産業新聞] 2004年9月9日 第2250号 <4面>

[日本酸素] PET用酸素18標識水販売

日本酸素はこのほどポジトロン断層撮影(PET)用ガン診断薬の原料である酸素18安定同位体標識水の量産技術を開発、「Water―18O」の商品名で販売を開始した。科学技術振興機構の委託開発事業として、東京工業大学の浅野康一名誉教授の研究成果を基に開発したもので、国内初の同標識水量産となる。

酸素18安定同位体標識水の製造には、酸素18の濃縮が必要。これまで水や一酸化炭素を蒸留する方法が一般的だが、膨大なエネルギー消費やプラント安定性などの課題がある。今回開発した技術は高純度酸素を原料に、同社の深冷分離技術と、浅野教授の研究成果である熱と物質の同時移動モデルを応用した精密蒸留により製造する。この酸素18を高純水素と反応させ酸素18安定同位体標識水とする。標識水に陽子を照射し、フッ素に変換後、合成することでPET用ガン診断薬となる。


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