[原子力産業新聞] 2004年9月16日 第2251号 <6面>

[ICFA] リニア・コライダは超電導方式に

将来加速器国際委員会(ICFA)は、このほど国際協力により将来の建設が提案されている0・5〜1TeVの電子・陽電子線形衝突型加速器(リニア・コライダ)の基幹技術について、絶対温度2度で運転する超伝導加速方式を採用すべきとする国際技術推奨委員会(ITRP)の勧告を了承した。

 リニア・コライダの基幹技術は、常温で運転するXバンド加速方式と超伝導加速方式が提案されてきた。両方式で技術開発を続けるには資金的あるいは時間的に負担が大きすぎるため、今年1月からICFAの下部機関である国際リニアコライダー運営委員会で検討されてきた。

 リニア・コライダは全長40`bに達し、その中央に電子・陽電子が衝突する実験エリアが設けられる。現在、陽子に関してはCERN(スイス)で大型ハドロン衝突加速器(LHC)が建設されており、2007年には運転開始の予定。リニア・コライダとLHCにより暗黒物質、余剰次元の存在、物質、エネルギー、空間、時間などの根元的性質の解明が進む、と期待されている。


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