[原子力産業新聞] 2004年9月24日 第2252号 <1面>

[原子力安全委員会] 安全委調査委も中間報告骨子

原子力安全委員会の美浜発電所3号機2次系配管事故検討分科会は15日、第3回会合を開催、中間報告の骨子について検討した。

事務局が取りまとめた骨子案によると、第1項「事故の原因」では「技術的な問題」として、事故の直接的な原因となった減肉は、オリフィス(水量計)によって生じる下流側の偏流により発生した浸食・腐食(エロージョン・コロージョン)の可能性が高いとしつつも、減肉から破損に至ったメカニズムを明らかにしておくことが重要としている。

また「管理指針に係る問題」として、90年度に作成された「管理指針」に基づき、適切な肉厚管理が実施されていれば、事故は発生しなかったとし、点検リスト漏れ等の保守管理に係わる事業者の品質管理体制の問題点を指摘している。

「再発防止策」では、「安全確保に係わる品質管理体制の充実・強化」、「作業者に対する安全確保」、「高経年化への対応」、「安全文化」について論及し、提言を行っている。

「今回の事故を踏まえ検討すべき課題」では、「事業者と国の役割・責任の明確化」として、規制の強化のみでは本質的な解決にならないとし、点検過程の透明性と追跡可能性を確保することで事業者自らが一義的な安全確保の責任を果たすことが重要であると強調している。一方、国は事業者の点検体制とその実効性に重点を置く監査型検査を行うべきとしている。

そのほか、「規制調査の進め方」、「国内外の事故事例、技術情報等の活用のあり方」、「事故時における情報発信のあり方」についても提言を行っている。

次回会合では、中間報告の取りまとめを検討する。


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