[原子力産業新聞] 2004年9月24日 第2252号 <2 面>

[文部科学省] 航空機乗務員から意見聴取

文部科学省・放射線規制検討会の航空機乗務員等の宇宙線被ばくに関する検討ワーキンググループ(主査=小佐古敏莊・東京大学助教授)は14日、第2回会合を開催し、日本乗員組合連絡会議(日乗連)と客室乗務員連絡会(客乗連)からの意見を聴取した。

両連絡会は、1996年3月と今年6月に、航空機乗務員の宇宙線被ばくを「職業被ばく」と位置付け、適切な防護策を実施するよう文部科学省に要請している。今会合では、両連絡会の要望事項として、@宇宙線の実態解明と適切な測定や算定方法の更なる調査研究A被ばくリスクや防護策に関する乗務員への適切な教育B乗務員個々の宇宙線被ばく量の把握とその記録C宇宙線嵐への対策──などを要請。併せて国際線パイロットでは生涯総被ばく量が百数十ミリSvに達する可能性がある、胎児への影響が大きいとされる妊娠初期での被ばく懸念、などを指摘した。委員からは、高高度のフライト時間や勤務期間など、より詳細な勤務データの提示要請が出された。日乗連は、パイロットなどが所属する乗員組合・団体の連絡会議で、会員数約5400名。客乗連は客室乗務員などが所属する団体の連絡会で会員数約1万3000人。

今会合ではこのほか、杉浦委員(東大)が国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護の考え方、笹本委員(原研)が宇宙線被ばく線量の測定法について紹介した。


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