[原子力産業新聞] 2004年9月24日 第2252号 <3面>

[中国] 近く2基承認へ

6日と7日に中国を訪問した町末男原子力委員は、中国原子力関係要人との会談の内容について、14日開催の原子力委員会・定例会議に報告した。同委員は、北京で開催されたアジア原子力協力フォーラム(FNCA)電子加速器に関するワークショップ参加のため訪中していたもの。  町委員との会談で、中国原子能機構(CAEA)の張福宝・副司長は、@中国は2020年までに100万kW級原子力発電設備を27基建設し、総発電容量9億kWの4%をまかなう計画A国務院は浙江省三門の2基(PWR、100万kW2基)と広東省嶺澳の第2期(嶺東)の2基(100万kW2基)の建設開始を承認、近く広東省陽江の2基(100万kW2基)も承認の見通しB再処理施設は現在、民生用のパイロットプラントの建設を進めているが、すでに隣接する貯蔵施設に大亜湾発電所の使用済み燃料の搬入を開始した――など説明した。

中国核工業集団公司(CNNC)の張金涛・副主任は、原子力発電設備の国産化に言及、100万kW級原子力発電設備の設計・建設技術を保有することは中国の重要な国策で、三門2基は技術移転を条件に導入し、早期に自主技術の確立を目指す、と述べた。

また、国家発展改革委員会の能源局・電力処泰志軍処長は、中国は原子力発電がCDM(クリーン開発メカニズム)に組み込まれるべきと考えている、などと指摘した。

中国同位素公司の張志仁・副総経理は、現在、中国では2000万キュリーのコバルト60を主に医療用具の殺菌と食品照射に使用、CANDU炉を使用して年間4〜500万キュリーの生産が可能で、毎年4〜5基の照射施設を設置している、などとした。


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