[原子力産業新聞] 2004年9月24日 第2252号 <3面>

[南アフリカ] 「南アルート」を摘発

核兵器につながる技術をリビアやイラン、北朝鮮に供与していたパキスタンのカーン博士の「核の闇市場」に関与していたとして、かつて南アフリカで核開発に携わった同国人やドイツ人計3人が逮捕され、南アを拠点としたルートにメスが入った。南アフリカ当局は、3人の行為の目的はリビアの核開発支援だったと言明している。

9月初め、ヨハネスブルク郊外の工場を南アの捜査当局が急襲、船積み用コンテナ11個を押収し、南ア人技師(53)を逮捕した。捜査は今年1月、米国で南ア在住の元イスラエル軍将校が、核兵器の起爆にも使われる装置をパキスタンに密輸しようとして逮捕されたのがきっかけだった。  コンテナに入っていたのはウラン濃縮用の遠心分離機の部品。技師は2000〜01年に無許可で輸出入していたほか、今年まで濃縮プラントの部品を製造していた疑いが持たれた。

南ア在住のドイツ人のうち1人は、ドバイを拠点にした闇市場を通じて南ア企業にリビア向け遠心分離機を流していたという。(ヨハネスブルク共同)


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