[原子力産業新聞] 2004年9月30日 第2253号 <2面>

[IAEA] 過去の核開発計画との関連調査

【ウィーン28日共同】韓国の未申告核関連実験問題で、IAEAが今月実施した査察の際に、米国の圧力で断念した1970年代の核兵器開発計画とその後の実験との関連について、科学者から事情聴取するなど重点的に調査していたことが27日、分かった。韓国政府が極秘に研究を継続、基礎技術温存を図った可能性があるとIAEAは疑念を持っている。複数の外交筋が明らかにした。

19〜26日の査察で韓国側は、70年代の計画の存在は認めたものの、中心となった科学者は既に死亡、資料なども廃棄されたと回答。「(70年代の計画とその後の)実験とは無関係」と回答したという。

IAEAは査察結果を分析、11月25日からの定例理事会に報告書を提出する予定。

外交筋によると、朴正熙元大統領の指示で韓国政府がひそかに推進した70年代の核兵器開発について、IAEAはその規模や内容、今回発覚した80年代以降の未申告実験とのかかわりについて科学者に個別に聴取した。

IAEAは10月上旬のエルバラダイ事務局長の韓国訪問の際にも、過去の核計画について韓国政府に情報提供を迫る見通しだ。


Copyright (C) 2004 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.