[原子力産業新聞] 2004年10月14日 第2255号 <2面>

[中国電力] 上関原子力発電所用地購入 地元神社から

【6日共同】中国電力は6日までに、上関原子力発電所の建設予定地にある山林約10万平方メートルを、地元の神社から約1億5000万円で購入する売買契約を結んだ。

 山林は発電所の炉心予定地を含んでおり、海面埋め立て用地を除き、原子力発電所用地約145万平方メートルの約8割を確保、建設に最低限必要な用地を入手したことになる。同電力は山林の所有権移転登記をし、原子炉設置許可申請に必要な地盤などの詳細調査を本年度中にも始める方針。

 しかし炉心予定地の一部は、反対派住民が共有地の入会権を主張し提訴。昨年3月に一審山口地裁岩国支部は住民側の訴えを認め、同電力に整地や立ち木の伐採を禁ずる判決を言い渡した。控訴審で係争中で、現時点で詳細調査を終えるのは困難とみられる。

 同電力は、共有地を除いた部分から調査を先行実施する計画で、県や町に調査の際の立ち木伐採などの許認可申請をする見通し。

 地元神社は「八幡宮」(宮成恵臣宮司)。神社本庁は昨年3月、山林の売却に反対していた林春彦前宮司を解任し、後任に宮成宮司を任命した。八幡宮は同12月、役員会で売却を議決し、神社本庁が今年8月20日に承認した。


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