[原子力産業新聞] 2004年10月14日 第2255号 <3面>

[原文振] 米国でも再処理研究 DOE専門家が講演

 原子力文化振興財団は7日、米国の原子力専門家2名を招聘し、「原子力発電におけるリサイクルの意義を考える」講演会を開催、約170名が参加した。使用済み燃料の直接処分を基本路線とする米国でも、現在、再処理の研究開発が進められていることなどが紹介された。

 W・マーチン米国エネルギー省(DOE)原子力エネルギー研究諮問委員会委員長は、「米国の再処理政策の状況について」と題し講演、米国では世界中の紛争、不確定要素などにより、第3次石油危機に直面していると認識されており、エネルギー自給率の低下を危惧、ウランも将来は不足すると考えられるため、再処理が注目され、核不拡散のためにも、再処理の技術開発が必要と考えられていると述べた。

 E・アーサー・ロスアラモス国立研究所顧問は「米国の再処理研究開発の状況について」と題して、「原子力発電と直接処分を継続すれば、ユッカマウンテン相当の新規処分場が30年毎に必要になる。第2の処分場を東部に建設することに全く目処が立っていない」と述べ、広大な米国でも直接処分場を見つけることが困難だとした。

 また同氏はAFCIについて、6800万ドル(75億円)の予算で、8つの国立研究所ほか主要大学が参加し、燃料サイクルのシステム解析、分離、原子燃料などを研究開発分野とするなどの概要を説明。新しい再処理技術ではアメリシウム、キュリウムなどのアクチノイド・リサイクルを行うことが特徴とした。そして日米パートナーシップを期待すると述べた。


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