[原子力産業新聞] 2004年10月21日 第2256号 <2面>

[原子力安全委・分科会] 美浜事故で中間報告を策定

 原子力安全委員会の美浜発電所3号機二次系配管事故検討分科会は20日、第5回会合を開き、同分科会の中間報告の取りまとめを行った。

 報告は、「原子力安全・保安院の『中間とりまとめ』等について」と「再発防止に向けた取り組み及び今後の課題」の二章からなり、保安院の取り組みを検討・評価するとともに、今後の再発防止のため国と事業者が取るべき施策について提言したもの。同分科会は、8月20日の第1回会合以来、同事故の論点取りまとめが、関係機関における事故原因の調査や再発防止策調査審議に役立つとの観点から、検討を行ってきた。

 報告では、技術的課題として、保安院が「中間とりまとめ」等を通じて、トリガー事象の可能性、減肉から破損に至った経緯などを明らかにすることが、今後の安全確保にとって重要と指摘。また安全確保に係わる品質保証上の課題として、他の発電所を含め、配管の類似の箇所で点検リストからの記載漏れが見つかっていることの重要性および、関電が「管理指針」によらず他の基準を独自に解釈し、特例的に適用した事実から、管理指針の適用の是正とプロセスの透明性強化を挙げている。

 一方、再発防止への取り組みと今後の課題については、事業者の行う自主点検について、規制行政庁はプロセスの実効性を確認することに重点を置く「品質監査型」の検査を行うべきとし、また安全確保に係わる品質保証体制の充実・強化へ向けた事業者の取り組み、高経年化に対する積極的な予防保全の取り組み、国内外の事故事例・技術情報等の活用、事業者の安全文化の一層の醸成、事故時における適切な情報発信などが重要としている。


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