[原子力産業新聞] 2004年10月21日 第2256号 <3面>

[米議会] ドメニチ米上院委員長 原子力推進で決議案

米議会上院エネルギー・天然資源委員会のドメニチ委員長(=写真)は、6日、原子力発電の重要性を強調するとともに、新たな原子力発電所の研究開発と建設を進めるべきだとする決議案を上程した。

 この決議案は、民主・共和両党の11名の上院議員とともに上程したもの。

 同決議案は、米国が2020年までに現在より40%以上多くのエネルギーが必要になるとし、風力、太陽光、水力、天然ガス、石炭、原子力等、すべてのエネルギー源の利用が必要とした上で、省エネやエネルギー効率向上だけでは増大するエネルギー需要を満たすことができず、現在の生活水準を維持するためには、環境保護と両立する大幅な発電能力増強が必要とする。

 決議案は更に、「米国の原子力発電所は無比の安全記録を実現した」とし、「更に原子力発電は、有害な大気汚染や温室効果ガスを発生しない」と述べ、「本決議は、米国のエネルギー独立を維持し、環境を守る上での原子力の重要な貢献を評価する」と述べている。

 こうしたうえで決議案は、「エネルギー独立を守り、環境を保護するなど、原子力の国家への重要な貢献を評価する。我々は、原子力が将来もこれらの利点により貢献できるよう、今日、新たな原子力発電所の研究開発と建設をを支持しなければならない」と結んでいる。

 ドメニチ上院議員は、9月20日の記者会見で、クリーンで安価な原子力発電に対して、インセンティブを与える必要性を強調した。同議員は、地球温暖化に対する懸念から、英国のJ・ラブロック氏のような著名な環境保護主義者も「原子力が世界の電力需要に対する唯一の『グリーン』な解決策だ」としていることや、英国王立協会が「新規原子力発電所建設無しに二酸化炭素削減は達成不可能」としていることを指摘。シカゴ大学がまとめた「原子力の経済的将来性」報告書(本紙9月30日号3面参照)も支持している税控除によって、新規原子力発電所の最初の数基のコストを下げることができると強調した。


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