[原子力産業新聞] 2004年11月11日 第2259号 <2面>

[東京電力] 福島第二・4が発電再開

 計画点検のため02年10月13日から停止し、翌03年2月から第12回定期検査を行ってきた東京電力の福島第二原子力発電所4号機(BWR、百十万kW、=写真)が4日、約2年1か月ぶりに発電を再開した。これにより、一連の自主点検データ不正問題発覚により停止した同社の原子力発電所全17基のうち、福島第一・1号機を除く16基が運転再開を果たしたことになる。

 同4号機では10月22日、原子炉起動作業を実施した際の主タービン電気油圧式制御装置の確認試験中に、主蒸気流量の信号が正常に応答されていない可能性があることが確認されたため、東電では「運転上の制限を満足していない」と判断し、当該検出装置等について点検を行うため原子炉を停止していた。

 その後の調査で、東電は主蒸気流量を検出する配管の一つに、過去の定検において信頼性向上のため当該検出配管を交換した際に、使用されたものと推定される幅約4cm×長さ約40cmの布ウエスが詰まっていたことを確認したことから、原因について「この検出配管の詰まりにともない、プラント起動時の電気油圧式制御装置の確認試験において、主蒸気流量の信号の一つが正常に検出されなかった」ものと推定。布ウエスを回収するとともに、当該検出配管および重要な検出配管のうち同様な配管工事を実施した他の配管についても、通水試験により詰まりがないことを確認し、今月2日午前に起動作業を再開した。

 東電では今後、定格出力まで発電量を増加させたのち、所管官庁の総合負荷性能検査を受け、11月下旬頃に定期検査を終了する予定としている。


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