[原子力産業新聞] 2004年11月11日 第2259号 <2面>

[文科省放射線規制検討会] 航空機乗員の勤務状況報告 第3回宇宙線被ばくWG開催

 文部科学省放射線規制検討会の航空機乗務員等の宇宙線被ばくに関する検討ワーキンググループは4日、第3回会合を開催、航空業界から乗務員の勤務状況の報告を受けるとともに、諸外国の取組み、最近の知見などについて検討した。

 勤務状況では就業規則により年間乗務時間が九百時間前後に制限され、実際の乗務時間も国際線は最大で700時間前後などが報告された。諸外国の取組みでは、EUが加盟国に対し、2000年までに搭乗員が年間1ミリSvを超える宇宙線被ばくについて企業で検討する体勢を整えるよう求めている、などが報告された。すでに旧加盟国15カ国が対応し、新加盟国10カ国も対応を開始しているという。米国、豪州などでは現在までに統一された規制はないが、米国では連邦航空局がガイドラインを含む助言を発行している。

 最近の知見では、昨年の国際放射線防護学会における四件の航空機宇宙線被ばく関連論文の概要が紹介された。1万m前後の通常高度で最大10μSv/h前後という理論的評価のほか、実測値として年間800時間の乗務により最大5ミリSv弱、などが示された。


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