[原子力産業新聞] 2004年11月11日 第2259号 <3面>

[南ア政府] PBMR開発予算承認 ガスタービン等開発

 南アフリカでペブルベッド・モジュール型炉(PBMR)の開発を進めているPBMR社はこのほど、同国財務省が、五億ランド(約85億円)のPBMR開発予算を承認したと発表した。同社はこの予算で、ガスタービン機器の開発やヘリウム試験施設の建設を行う意向だ。

 また、南アフリカ公共事業省のA・アーウィン大臣は、PBMRを20〜30基、総出力で400万〜500万kWの建設を含む電源強化策を打ち上げた。これは、総額1650億ランド(約2兆8100億円)に及ぶ公共事業投資の一環として浮上したもので、その7割の840億ランド(1兆4300億円)が、国営電力ESCOMの発電能力の増強に充てられる。

 PBMRは電気出力17万kW、黒鉛被覆の球形燃料を使い、冷却材のヘリウムガスでガスタービンを直接駆動、炉出口温度九百度で四五%の熱効率を見込む。高温ガスタービンについては、2001年8月、三菱重工業がフィージビリティ・スタディを受注しており、今回の予算措置決定によって、ガスタービンの共同開発が進むものとみられる。PBMR社は、省スペースのためにこれまで考えていた縦型ガスタービンを、技術上の理由から通常の横置きに変更した。

 PBMR社は、ケープタウン近郊のクバーグ原子力発電所サイトにPBMR実証炉を2007年から建設、2010年に完成する計画。2013年には最初の商業炉を建設する計画だ。また、ペリンダバに球形燃料の製造工場建設も計画している。


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