[原子力産業新聞] 2004年11月11日 第2259号 <4面>

[四国電力] 伊方1、2 炉内構造物を交換へ

 原子力安全委員会は8日、四国電力の伊方原子力発電所1号機(PWR、56.6万kW)の原子炉容器内部構造物(CI)取替工事計画の認可について、規制調査を実施することを決定した。

 四国電力は、1号機のCI交換作業を、現在の定検期間中の12月上旬に実施する予定。2号機も、来年の定期検査の際にCI交換を予定している。なお、3号機については、交換の計画はない。

 取替用のCI(=写真)は、高さ約11m、直径約3.3m、重量約100tのステンレス製で、原子炉容器内で燃料集合体を収納する下部構造物と、それらを上部から固定する上部構造物から構成される。

 安全委が規制調査を行うのは、今回のような既設の原子力発電所での大規模改造工事が今後も継続すると予想され、また大規模改造工事では工事計画審査の範囲が多岐にわたることから、工事計画の審査が確実に行われることが安全確保上、重要と判断したため。伊方1号機でのCI全体の交換は、国内PWRで初のケースとなる。

 具体的な規制調査は、本年4月に認可済みの原子炉本体改造等工事計画の審査がどのように行われたかを中心に、原子力安全・保安院からのヒアリングで実施する。さらに必要に応じて、改造工事の詳細を把握するため、現地調査も実施する。

 CIの交換は、海外の発電炉で、応力腐食割れが原因とみられるCIのバッフルフォーマボルトの損傷事例が報告されていることを踏まえ、予防保全の観点から最新技術を導入済みの3号機と同型式のものに取り換えるもの。同時に、この機会に、高燃焼度燃料の採用に伴い所要の反応度停止余裕を確保するため制御棒を四本追加する必要があり、案内管を四本増やしたものとする。


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