[原子力産業新聞] 2004年11月11日 第2259号 <4面>

[原子力安全基盤機構] 初の総合シンポ 定期安全管理審査制度など講演

基盤機構が初の総合シンポ 定期安全管理審査制度など講演  原子力安全基盤機構は10月28日、都内大手町の経団連会館で、昨年10月の発足以来初めての総合シンポジウムとなる「JNES2004シンポジウム」を開催し、関係者510名が参加した。  シンポジウムでは、成合英樹理事長(=写真)の主催者挨拶、三代真彰経産省原子力安全・保安院次長の基調講演の後、同機構の業務に関して、井元良検査業務部長による講演「定期安全管理審査の実施状況」のほか講演四件とパネルディスカッション「リスク情報を活用した規制の導入にあたって」を行った。  井元氏は、定期安全管理審査制度について、昨年11月の実施後すでに30件の申請があり、審査を経て、うち10件について経済産業大臣による評定が行われていると報告した。  さらに井元検査業務部長は、電気事業者に対して定期的に安全確保努力を促し、事業者の安全確保体制の向上に貢献する、「サンプリング手法」と「抜き打ち的手法」の組み合わせなど科学的・合理的な手法で事業者に一定の緊張感を与える、審査結果の公表により規制の透明性を図るとともに、情報の水平展開により全ての事業者に一層の努力を促すなど、本制度の利点を強調した。  また今後、取り組むべき課題としては、基盤機構の審査員の能力向上、審査経験の蓄積による審査手法の改善、内外の事故・トラブルなども考慮した審査事項のサンプリングなどを指摘した。

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