[原子力産業新聞] 2004年11月25日 第2261号 <3面>

[米NRC] セキュリティ基準に合致 米全原子力発電所で

 米原子力エネルギー協会(NEI)によると、米国の全原子力発電所は、10月29日を期限としていた米原子力規制委員会(NRC)の要求するセキュリティ基準を満たした。

 NRCは2003年4月、原子力発電所に対するテロの脅威に備えて、原子力発電所のセキュリティ対策の強化を命令した。これを受け、原子力発電所を運転する各電力会社は、@セキュリティ要員の60%増員(合計8000名)A自動車爆弾や他のテロ行為に対する防護対策の強化Bセキュリティ要員の訓練強化C模擬訓練の実施Dパトロールの強化Eセキュリティ・ポストの増設F自動車進入禁止区域の拡大G入退出管理の強化H州・自治体の警察等との連携強化――などの対策を講じた。

 2001年以降、原子力発電所のセキュリティ強化に投じられた費用は総額10億ドル(約1050億円)を上回り、2001年9月11日以前のセキュリティ費用を数100万ドル上回る。

 原子力産業界の新たなセキュリティ計画では、規制当局の働きが大きく左右するという。米原子力産業界では、原子力施設の統合オフサイトセキュリティ対策と非常時対応活動の強化が進められている。


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