[原子力産業新聞] 2005年1月5日 第2265号 <1面>

[三菱重工業] PBMRから設計等受注

 三菱重工業はこのほど、南アフリカ共和国のPBMR社からペブルベッドモジュール型高温ガス炉(球状燃料要素炉)の実証炉(=構造図)向けとして、ヘリウムタービン発電機の基本設計および炉内構造物の概念設計レビュー作業を受注した。同社はこれにより各機器製作も受注の計画。

 PBMR実証炉は、安全性と経済性を両立する小型高温ガス炉の実用化を目指し、南アの国営電力会社であるESKOM社がクバーク・サイトに導入し、2010年の運転開始を計画している。電気出力11万kWで、黒鉛球状燃料とヘリウム冷却材を使用する。

 三菱重工業は2001年にPBMR開発計画の一環として、ヘリウムタービン発電機に関するフィージビリティ・スタディに参加、PBMR社と同発電機を共同開発している。今回受注した炉内構造物の概念設計レビューは今年4月まで、同発電機の基本設計は来年九月までに完了の予定。

 PBMR社は1999年設立、ESKOM社、南ア政府投資公社のほか英国核燃料公社(BNFL)等も資本参加している。実証炉に続いて電気出力16.5万kWの商用機の開発も進めており、ESKOM社は2013年までに、商用炉八基構成で計132万kWの発電所建設を計画する。


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