[原子力産業新聞] 2005年1月5日 第2265号 <12面>

[三菱重工業] 医療機器市場に本格参入 高精度四次元放射線治療装置開発

 三菱重工業はこのほど、動体追尾照射機能を搭載した高精度四次元放射線治療装置(=写真)を開発した。同社では、この装置により来年度から医療機器市場に本格参入する。

 同装置は二対のX線透視装置によりがん病巣の位置を捉え、放射線をピンポイントで照射できるとともに、肺呼吸や消化器の働きなどで動くがん病巣を追尾し連続照射できることが特徴。動体追尾照射機能を搭載した放射線治療装置は世界初という。同機能の開発は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の基盤技術研究促進事業制度の適用を受けた。

 加速管には高エネルギー加速器研究機構、理化学研究所と共同開発した従来に比べ長さが三分の一のCバンド小型加速器管を使用。医学的指導および臨床研究では京都大学大学院・医学研究所、神戸市・先端医療センターの支援を受けた。同センターにはプロトタイプを設置済みで、来年度中には商業用モデルを開発の予定。


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