[原子力産業新聞] 2005年1月5日 第2265号 <12面>

[マレーシア原子力庁] 魅力的な色のゼフィランサス求めて

 カラフルな色と素朴な美しさを持つ「ゼフィランサス」(別名=レインリリー、和名=たますだれ)。庭園や道路脇を華やかに彩る花として、マレーシアでも人気が高い。しかし、現在マレーシア国内のマーケットで売られているのは、白、黄、ピンクの三種のみ(=写真上)。

 そこで、マレーシア原子力庁(MINT)の観賞用作物改良チームでは、放射線育種(放射線を使った突然変異育種)で、さらなる魅力的な色のゼフィランサスの開発をめざしている。

 MINTでは、コバルトガンマ線の照射によって、現在までに四品種で新しい色が得られているが(=写真中)、2005年度には、さらに一つの新しい品種を開発すると自信を見せる。

 MINTでは年一度、「花の日」(=写真下)を設け、開発した品種の展示やセミナー、植物への照射デモンストレーション、地元農家への無料照射サービスなどを行っており、身近な花や植物を通して、一般市民への原子力技術の理解を深めることを目指している。

 またMINTは、アジア原子力フォーラム(FNCA)のダイズ、ラン、バナナのプロジェクトに参加しており、原子力技術による国内農業の活性化に挑戦している。


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