[原子力産業新聞] 2005年1月13日 第2266号 <3面>

[エクセロン・エレクトリック&ガス] 米最大の電力会社誕生 エクセロンとPSEG合併

 米国最大の原子力発電会社エクセロンと、電力・ガス会社のパブリック・サービス・エンタープライズ・グループ(PSEG)は、12月20日に合併を発表、全米最大となる電力・ガス会社「エクセロン・エレクトリック&ガス」を創立すると発表した。新会社は20基・2170万kWの原子力発電所を所有することになる。

 この合併は12月20日、両社の取締役会が、全会一致で決定したもの。合併の実施までには、株主総会での議決のほか、原子力規制委員会(NRC)や連邦エネルギー規制委員会(FERC)などの許認可が必要であり、12〜15か月かかる予定。

 合併によってできる新会社は、発電容量5200万kWと全米最大の電力会社となる。新会社は、イリノイ、ニュージャージー、ペンシルベニアの3州で操業、年間売上高は270億ドル(2兆8000億円)、経常利益32億ドル(3300億円)、資産総額790億ドル(8兆2000億円)、株価時価総額は120億ドル(1兆3000億円)となる。合併は、PSEG株1・225株に対してエクセロン株1株を割り当てる株式交換により行われる。

 新会社の社長・CEOには、エクセロンCEOのJ・ロウ氏が就任、PSEGのJ・ファーランド社長は2007年4月まで新会社の非常勤会長を務める。新会社の本社は、シカゴにあるエクセロンの本社に、原子力本部はペンシルベニアに置かれる予定。

 両社は、合併によるメリットの一つとして、「原子力発電所の運転の改善」を挙げ、「エクセロンが大規模な原子力発電所の運転で蓄えた強力な実績をもってすると、両社の原子力部門を統合することによって、安定、高利用率、低コストの原子力発電所運転が期待できる」としている。

 両社は、合併の承認を待たず、1月17日から、PSEGのセーレム原子力発電所1、2号機(PWR、113kW、116万kW)と、ホープクリーク原子力発電所(BWR、112万kW)の3基について、エクセロンから上級管理職を送り込み、エクセロン流の発電所管理方式の導入と、発電所運営を行う契約に調印した。契約金額は2年間で3億ドル(310億円)。エクセロンの原子力発電所運営方式は優れた評価を得ているが、PSEGのセーレム発電所では、運転実績の低下や安全文化などの問題が起こっていた。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.