[原子力産業新聞] 2005年1月20日 第2267号 <1面>

[東京電力] リサイクル燃料備蓄センター説明会開催

東京電力は12日、青森県むつ市の下北文化会館で、「リサイクル燃料備蓄センター説明会」を開催(=写真)した。同社がむつ市に建設を計画している使用済み燃料中間貯蔵施設(リサイクル燃料備蓄センター)について、事業計画や安全性、さらには立地調査結果を報告するもので、東電側は同センターの建設に理解を求めるとともに、現在の建設進行状況として、専用道路の一部を除く大半の建設用地を取得済みであることを明らかにした。会場には平日の開催にもかかわらず約220名が詰めかけ、最後まで熱心に聴き入っていた。

冒頭、挨拶に立った執行役員の大久保秀幸立地地域部長は、核燃料サイクルは国策ではあるが、「(センターの建設・運営にあたっては)何よりも住民理解を最優先する」と強調。引き続き「リサイクル燃料備蓄センター」の事業概要を説明した鹿士俊一郎むつ調査所長は、「今後とも、理解活動と地域活動に参加して行きたい」と述べ、同事業に対する東電の姿勢を明言した。

続いて行われた質疑応答では、東電側から大久保立地地域部長をはじめとする7名が出席。用地確保の質問が出された際に、@本体用地となる、同市関根の約217ヘクタールについては取得済みA専用道路についても、ごく一部を除いては取得は済んでいる――ことを明らかにした。

また、インドネシアのスマトラ島沖で発生した地震に伴う津波による被害が数多く報道されていることに関連して、地震や津波による被害についての質問が多く出されたが、東電側は、地震については立地予定地周辺には活断層は存在せず、また想定最大地震力に対して耐震設計を行うことにより安全を確保するとし、一方津波に対しては、立地点の標高は20メートルであり、かつ海岸線から300メートルの距離にあることに加え、最大規模地震が発生しても、波高は4メートル以下となるため、影響を受けることはないとした。

さらには住民からは、「永久貯蔵になるのではないか」との質問も数多く寄せられたが、東電側は再処理能力を上回る分だけ中間貯蔵を行うのであり、50年間の貯蔵を超えることはないと説明、理解を求めた。

リサイクル燃料備蓄センターは、使用済み燃料5000トンを最長50年間貯蔵する施設。東電は日本原子力発電とともに、10年までの建設を計画している。


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