[原子力産業新聞] 2005年1月20日 第2267号 <1面>

[原研・DOE] FLWR炉心設計で協力

日本原子力研究所と米国エネルギー省(DOE)はこのほど、革新的水冷却炉(FLWR)の炉心設計手法評価に関する研究開発協力取決めに調印した。

この協力は1995年締結の包括協定に基づく特定覚書取決めにより実施するもの。DOE傘下のブルックヘブン国立研究所(BNL)と協力し、日米の代表的な炉心設計手法の稠密炉心への適用性を評価する。核設計では核データ、解析手法などに起因する核特性(転換比など)、熱設計では熱水力相関式などに起因する熱特性(限界出力など)の予測誤差を評価し、実炉解析における誤差を定量的に把握。日米両国でベンチマーク計算を行うことにより各設計手法の課題や有効性が明らかになり、研究開発のコストと期間の大幅な削減が可能という。

FLWRは現在の軽水炉(BWR)が正方格子配列燃料集合体の十字型制御棒を使用し、燃料棒間隔約3mm・炉心高約3.7m・プルトニウム富化度3〜4%・転換比0.6程度などであるのに対し、三角格子配列燃料集合体のY字型制御棒を使用し、燃料棒間隔約3mm・炉心高約1.5m・プルトニウム富化度約9%・転換比約0.9などとする。

MOX燃料を使用するが、さらに燃料棒間隔を縮めるとともにプルトニウム富化度を高め、MOX燃料とブランケット燃料を組み合わせることにより転換比一以上を目指すこともできる。

原研はプルトニウム利用の多様な可能性を探る一環として、米国は先進核燃料サイクルイニシアティブ(AFCI)の一環としてそれぞれ開発を進めている。


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