[原子力産業新聞] 2005年1月20日 第2267号 <6面>

[原子力安全・保安院] 原燃に性能評価の再評価を指示

経済産業省原子力安全・保安院は14日、日本原燃が申請しているガラス固化体貯蔵施設増設について、同社に対して性能評価の再評価を行うよう指示した。

保安院によれば、現在実施している廃棄物管理施設「ガラス固化体貯蔵建屋B棟」(返還ガラス固化体貯蔵施設第2期施設分)の審査の過程で、原子力安全基盤機構においてガラス固化体の崩壊熱の除去解析に係るクロスチェック解析を行ったところ、同解析の一部について原燃が行った解析結果との間に差違が認められたという。このため同院では、@ガラス固化体貯蔵建屋B棟における崩壊熱の除去解析の再評価A再処理施設にあるガラス固化体を貯蔵する類似の冷却構造を有する設備における崩壊熱の除去解析の再評価――を行い、結果を報告するように指示。これを受けた原燃では同施設に加え、現在建設中の「第一ガラス固化体貯蔵建屋・東棟」、「高レベル廃液ガラス固化建屋」ならびに、現在設工認申請中の「第一ガラス固化体貯蔵建屋・西棟」について、再評価を行うことを決定した。なおこれら施設は、いずれも現在実施しているウラン試験の対象となっていないが、原燃では念のため試験に影響がないことを確認するべく、15、16日には一時的にウラン試験の作業を中断。17日に問題のないことが確認されたとして、青森県および6ヶ所村へ報告を行い、18日より再開した。

同施設は海外で再処理・返還された高レベル放射性廃棄物のガラス固化体を、空気で冷却して貯蔵する施設。原燃は最大保管能力を現在の1440本から2880本へと倍増する計画を立て、昨年10月に国に申請していた。


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