[原子力産業新聞] 2005年1月27日 第2268号 <2面>

[東北電力] 東通1号が初臨界

東北電力は24日、同社が青森県東通村に建設中の東通原子力発電所1号機(BWR、110万kW、2005年10月運開予定=写真)が同日15時56分、臨界に達したと発表した。1996年4月の第1次公開ヒアリング開催以降、順調に進行していた東北・東通1号機建設計画は、今回の臨界により今年10月の営業運転開始に向けて大きな一歩を踏み出した。

青森県初の原子力発電ユニットとなる東北・東通1号機では、昨年12月24日〜今月10日にかけて、燃料集合体764体が装荷された後、各種検査を実施するなど、初臨界へ向けた作業が着々と進められていた。そして24日には制御棒を引き抜く作業が開始され、15時56分、原子力安全基盤機構(JNES)の検査員立ち会いの下で初臨界に達し、18時に初臨界検査に合格した。

同1号機では今後、1月下旬には原子炉を昇温昇圧して核計装校正、制御棒価値測定、原子炉逃し安全弁機能試験などを行い原子炉系の健全性、安全性を確認する「核加熱」が開始され、3月頃には初併入が実施される予定。

その後は出力を20%、50%、75%と段階的に上昇させつつ各種試験を行い、6月頃には出力100%を達成。10月に営業運転に移行する計画だ。

東北電力にとって4番目、かつ同社最大のユニットとなる東通1号機は1970年6月、東京および東北電力による東通村への原子力発電所立地が公表されたが、その後は1981年2月に「下北原子力準備事務所(現・東通原子力発電所建設所)」が開設されるなどしたものの、目立った進展はなかった。しかしその間の関係者の不断の努力が実を結び、1995年1月に漁業補償交渉を完了したのを皮切りに、計画は再び前進を開始。その後は翌1996年4月の第1次公開ヒアリング、同年7月の電源開発基本計画への組み入れ、1998年11月の第2次公開ヒアリングを開催など順調に進展し、今回の初臨界にこぎ着けた。

なお昨年12月末現在の工事進捗率は、95.7%となっている。


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