[原子力産業新聞] 2005年1月27日 第2268号 <3面>

[米・NRC] ESP発給を勧告

米原子力規制委員会(NRC)事務局はこのほど、バージニア州ノースアナ原子力発電所サイト(=写真)に、新規原子力発電所を建設する早期サイト許可(ESP)申請に対し、「ESPを発給するべき」とする環境影響報告書(EIS)案と安全評価報告書案を発表した。

ESPは、ドミニオン・ニュークリア・ノースアナ社が、2003年9月、NRCに申請したもので、許可されれば、同社はその後20年間、同サイトに原子力発電所を建設することができる。

ドミニオンはこの申請の中で、NRCに対して、@現在のノースアナ原子力発電所敷地内のサイトを新規原子力発電所の建設・運転に適切と承認することA同サイトにESPを発給すること――を求めた。

これに対し、NRC事務局は、@ドミニオンの提出した環境報告書A連邦政府、州政府、少数部族、地元関係者等との協議BNRC事務局による評価Cパブリックコメントの検討――等を実施。地震、地質、気象、水文などのサイトの条件、原子力発電所の運転によって生じる可能性のある事故のリスク、原子力発電所のセキュリティ維持能力、原子炉建設後のドミニオン社による緊急時計画等の情報を審査した。

その結果、「サイトの準備工事等によって、回復不可能な環境への悪影響はない」と結論、ESPを発給すべきだとした。

NRCは今後、今月中に安全評価報告書を完成、環境影響声明書をファイナルにした後、原子炉安全諮問委員会での審議や、原子力安全許認可パネル委員会(ASLB)が開く公聴会等を行う。NRCは、このプロセスを2006年中頃までに終えたいとしている。


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