[原子力産業新聞] 2005年1月27日 第2268号 <3面>

[原子力規制委員会] 携帯用放射線ゲージの規制強化

原子力規制委員会(NRC)は11日、放射線源を使用している携帯用放射線ゲージの盗難を避けるため、規制を修正し、許認可取得者に2種類の管理方法を義務付けることとした。

管理方法としては、倉庫内の安全な鍵付き保管庫での保存や、鍵付きの車両に入れその車両をスチールケーブルで固定する方法がある。米国では、土壌やコンクリートなどの密度や水分などを調べるために、推定2万2000〜2万5000個の携帯用放射線ゲージが使用されている。このゲージにはしばしば、2種類の放射性同位体の放射線源がカプセル化されている。

現在のNRC規制では、携帯用放射線ゲージは保管庫で保管し、保管庫から出すときには一定の監視下に置くように要求している。それでも、毎年およそ50の測定器が盗まれたと報告されており、回収率は50%に満たないという。その3分の2以上が、鍵をかけないで駐車した車両から盗まれたもの。使用されている放射性物質の量は少量で、ステンレスのカプセルに入れられているが、人が線源に近づくと放射線障害を起こす可能性があり、また環境上の懸念もある。

放射性物質の量と特性から、NRCは携帯用放射線ゲージが「汚い爆弾」などテロ目的で使用されることはないとみている。


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