[原子力産業新聞] 2005年2月10日 第2270号 <4面>

[原産] 2003年度原子力産業実態調査まとまる

同調査は、わが国の原子力産業の経済面を把握するとともにその分析を通じ、産業としての健全な発展に貢献し、また各分野における関係者の参考となる基礎資料とすることを目的に、原産会議が1959年から定期的に実施しているもので、今回で45回目。03年度の@電気事業の原子力関係支出動向A鉱工業の売り上げ動向および支出動向B民間企業の原子力関係従事者数――などについて、調査対象企業450社のうち、03年度中に原子力関係の売り上げ、支出ないしは従事者を有するなど何らかの実績のあった349社の調査票をもとに取りまとめられている。

具体的に内容を見ると、電気事業の原子力関係支出の動向について、03年度支出は1兆5551億円(対前年度比マイナス13.8%)で、過去13年間で最低額を記録したことが明らかになった。これについて同調査では、運転維持費のうち修繕費が対前年度比で増加したものの、核燃料費と建設費が減少したことが「大きな原因」と分析している。

また鉱工業では、原子力関係の売り上げは1兆4482億円で、対前年度比約3.3%減。同支出高は、原子炉機材を中心に、2年連続の減少の4456億円(対前年度比12.6%減)をマーク。さらに今後の売り上げについて実施したアンケート調査では、5年後には03年度実績比7.8%減の1兆3355億円を見込む結果となっており、非常に厳しい予測していることが明らかになっている。

一方、民間企業の原子力関係従事者数に目を転じると、鉱工業および電気事業の事務系を含む03年度従事者数は、対前年度比5.3%減の4万8534人。今後も電気事業ではほぼ横ばいが見込まれる一方で、「鉱工業ではさらに減少する」と見込むものの、@電気事業の運転保守部門技術者に増加傾向が見られるA鉱工業の設計、原子炉機器製造部門の人員減少に歯止めの傾向が見られる――などの結果も、明らかにしている。


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