[原子力産業新聞] 2005年2月10日 第2270号 <4面>

[原研・日東電工] 放射線で高性能燃料電池電解質膜

日本原子力研究所と日東電工はこのほど、放射線照射などにより耐久性を従来比6倍、電気伝導度を市販品比2倍に高めた高濃度メタノール用燃料電池電解質膜を開発し、連続ロールフィルム製造(=写真)にも成功した。

同電解質膜はフッ素系高分子樹脂膜。原研はすでに固体高分子型燃料電池用電解質膜の開発に成果をあげてきたが、今回、耐久性や電気伝導性を高め、メタノール透過速度も市販品に比べ十分の1と劣化の少ない電解質膜を開発した。

まずフッ素系高分子樹脂膜に放射線を照射し、グラフト重合に必要な反応活性点を高分子主鎖に生成。続いてグラフト重合により化学橋架けグラフト分子鎖を導入し、更に放射線照射により同時橋架けした後、グラフト鎖をスルホン化し、イオン交換基を保持した電解質膜を製造する。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.