[原子力産業新聞] 2005年2月17日 第2271号 <2面>

[東北電力] 東通1号機でタービン停止

東北電力は14日、現在試運転を行っている東通原子力発電所1号機(BWR、110万kW、05年10月運開予定)において、11日にタービンの調整試験を行うためタービンを起動し、定格回転数(毎分1500回転)に向けて上昇中、タービン軸受に供給される潤滑油の圧力が低いことを示す警報が発生し、タービンが自動停止したと発表した。

運転情報のA情報、B情報、C情報に該当しないごく軽度な機器故障等で、発電所周辺への放射能の影響はない。なお同1号機は発電は行っておらず、原子炉には影響はなくその後も運転を継続した。

今回の事象について東北電力では、原因を「タービン起動前にタービン試験手順書に従い当該警報の設定値を『0・73』と入力すべきところを、小数点を見逃し『73』と誤って入力したことによるもの」と分析。そのためタービン回転数の上昇中にタービン軸受に正常に供給されていた潤滑油の圧力が「低い」と判断され、当該警報が出てタービン保安装置が働きタービンが自動停止したものと判断し、対策として、設定値を誤入力した原因となったタービン試験手順書の見間違いやすい記載方法を改定している。

なお東通1号機はその後、2月12日にタービンを起動して調整試験を再開し、順調に試運転を継続している。


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