[原子力産業新聞] 2005年2月24日 第2272号 <1面>

[原子力安全委員会] G・クラーク氏などが出席

原子力安全委員会は17日、同委員会の政策を自己評価するため、6回目の政策評価会議を開催した。

政策評価会議は、原子力以外の分野の有識者から同委員会の政策に対する意見を聴くもの。今会合では、大橋秀雄・工学院大学長、ジャーナリストの大宅映子氏、グレゴリー・クラーク・多摩大名誉学長、小早川光郎・東大教授らが出席した。

大橋氏は、確率論的な安全目標の設定について、「具体的な数値目標の導入は進歩の始まり。数値を小さくする努力を行える。歓迎すべきこと」とした。大宅氏は、「確率論については、一般市民に分かり易い説明が欲しい」とコメントした。

クラーク氏は、原子力安全シンポジウムに関連して、「勇気を持って対話形式で、原子力反対派とのコミュニケーションを」と、継続的な対話の必要性を訴えた。小早川氏は、「専門的に文書を通して、反対派と対話することも必要。一般市民には、確率論は分かりにくく、アレルギー反応もある。」とした。同氏はさらに、「安全目標等は、国会決議等でオーソライズしたらどうか。国民のためにこう考えるという姿勢が望ましい」と提案した。

安全文化に関しては、クラーク氏は、「隠ぺい・閉鎖的というのは日本文化の特徴。原子力の安全確保には、徹底的な内部告発が必要。報奨金制度を導入すべき」と提言。大宅氏は、「女性は情緒的なところが強い。原子力は100%安全でないが、このことを理解してもらう必要がある。車・飛行機の事故リスクを理解しても、原子力のメリットがみえないことが問題。反対派の主張に対しては、ひたすら冷静に事実のみを述べ続けるべき」とコメントした。


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