[原子力産業新聞] 2005年2月24日 第2272号 <3面>

[米輸出入銀行] 米輸銀が50億ドル融資

米輸出入銀行は18日、ウェスチングハウス社の原子力発電所4基の中国向け輸出に対して、総額50億ドル(約5300億円)の融資を予備承認した。

これは18日、米輸出入銀行取締役会が承認したもの。輸出保証と直接融資の形で、50億ドルの融資を行うことを予備的に承認するものだが、実際の融資には、技術的、法的な要件を満たしたのち、最終的な融資パッケージを提出、同銀の審査と取締役会の承認を得る必要がある。

中国国務院は2004年7月、香港に近い広東省の陽江原子力発電所と、上海に近い浙江省台州市の三門原子力発電所、合計4基の原子力発電所建設を承認。中国政府は同年10月、ウェスチングハウス社、仏アレバ・グループ、ロシアのアトムストロイエクスポルト社の3社に、入札招請書を発行、各社からの提案を募っていた。

ウェスチングハウス社は、これに応えて今月28日にも入札書を中国政府に提出する予定で、あわせて米輸銀への融資を申請していた。ウェスチングハウス社のスポークスマンV・ギルバート氏は、「中国への原子力発電所売却に向けて、重要なステップだ」と語っている。

ウェスチングハウス社は、米ベクテル・パワー社とともに、受動安全性を取り入れたAP1000を、両発電サイトに各2基、計4基建設する案で入札している。中国政府は今年末までに、落札者を決める予定だ。

ウェスチングハウス社の親会社の英核燃料公社(BNFL)は、業務を英国内のサイト浄化等に特化する英政府の方針でリストラクチャリングを進めている。BNFLはウェスチングハウス社を早期に売却するとの見方もあり、注目される。


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