[原子力産業新聞] 2005年2月24日 第2272号 <4面>

[日本原電] MOVDAS6台を輸出

日本原子力発電は21日、日本ギア工業と共同で開発した原子力発電所の電動弁運転中診断装置(MOVDAS)6台を日本ギア工業藤沢工場から米国R・E・ギネー発電所(PWR、50・7万kW)へ出荷したと発表した。

同社のグループ企業で、装置の販売元である原電事業が、インターナショナル・アクセス・コーポレーション社へ販売したもので、3月に同発電所に取付けの予定。ギネー発電所向けには、今後さらに数十台程度の輸出が見込めるとしている。同装置の製品化は1999年に行われ、国内では、日本原子力発電以外では、大飯、伊方原子力発電所で約60台の使用実績があるが、海外への輸出は今回が初めてとなる。

MOVDAS装置は、原子力発電所1基あたり300台程度設置されている電動弁に適用することができ、電動弁駆動部に内蔵されたトルクセンサー(米国、韓国で特許取得済み)の信号を利用して高精度な故障診断と劣化傾向の管理を行うことが可能となる。

MOVDASの導入により、停止中のみならず運転中にも電動弁の健全性診断ができ、従来の点検スケジュールで点検を実施する時間計画保全から、電動弁の状態に応じて実施する状態監視保全への移行が可能となり、信頼性の向上と点検作業の合理化につながるとされる。

さらに携行性にも優れ、外部電源が不要、短時間での診断作業が実施でき、定検短縮、被ばく低減に寄与するほか、他の産業分野で使用される電動弁にも適用できるなどの特徴がある。


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