[原子力産業新聞] 2005年3月10日 第2274号 <1面>

[原子力委員会] 研究開発あり方で議論

原子力委員会の新計画策定会議は4日、第20回会合を開催、発電・エネルギー利用に関する研究開発のあり方を検討し、原子力を国の科学技術政策の重点分野に入れる努力が必要など様々な意見が出された。今月16日の次会合ではエネルギーと原子力のテーマの検討に入る。

今会合では発電・エネルギー利用として軽水炉高度化、革新的原子力システム、核融合などの原子炉開発、分離変換をはじめとする核燃料サイクルおよび基礎・基盤研究などを議論した。

委員からは「選択と集中の中で、産官学連携の深化を検討し、水素利用と核融合については論点の整理が必要。また国の科学技術政策の重点4分野に入らないと予算削減の方向で入る努力が必要」(岡ア委員)、「基礎研究の評価も実用化への観点を意識した評価とすべきで、核融合ではITERの主導権確保のためにもJT―60の早期改修を」(田中委員)、「選択と集中を図る仕組みや実用化研究と基盤研究の比率の検討が必要」(殿塚委員)、「公募型研究は必要だが、米国のような一貫したロードマップが必要」(庭野委員)、「限られた研究開発資源の配分が課題だが、電気事業者としては核燃料サイクルを支える技術開発を要望している」(藤委員)、「国として研究開発成果を評価する委員会が必要。ITERが現行の研究開発費を圧迫しない方策が課題」(児嶋委員)、「基盤研究の重要さをアピールする長計に」(中西委員)などの意見が出された。


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