[原子力産業新聞] 2005年3月10日 第2274号 <3面>

[【モスクワ4日共同】] 中央アジアで非核条約

キルギスのクシュチュベコフ第1外務次官は4日、首都ビシケクで、同国など旧ソ連を構成していた中央アジア5か国が2月に非核地帯条約締結で最終合意し、今年9月の国連総会までに参加各国の首脳により調印されるとの見通しを明らかにした。条約化された非核地帯は世界で5番目となる。調印式は旧ソ連最大の核実験場だったカザフスタンのセミパラチンスクで行われる予定。

米国やロシアは核兵器の持ち込みが不可能になり、核保有国に囲まれた同地域の安全保障の在り方に大きな影響を与えることになりそうだ。

調印するのはキルギスのほかカザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン。

条約は域内での核兵器の開発、使用、保管、輸送のほか、高濃度核廃棄物の持ち込みや、核開発の支援を受けることも支援することも禁止。原子力発電など核エネルギーの平和利用に限り認めている。

条約の交渉は1998年に始まったが、ロシアが創設に慎重姿勢を示すなどし、合意に7年を要した。

同次官は「実質的に核保有国だったカザフが自主的に核を放棄し、非核地帯に加わるのは、画期的なことだ」と合意の意義を強調。条約締結に向けた5か国による会合開催を支援した日本政府に謝意を表した。


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