[原子力産業新聞] 2005年3月31日 第2277号 <1面>

[三菱重工] WHグループで応札 中国の三門、陽江原子力発電所建設計画

 三菱重工業は2月末までに米国・ウェスチングハウス(WH)社グループとして、中国が浙江省・三門と広東省・陽江に建設する合計四基の原子力発電所に応札した。フランスのフラマトム社およびロシアのアトムストロイエクスポルト社を中心とする企業グループも応札。中国は年内に発注先を決定する見通し。

 三門2基と陽江二基の原子力発電所はそれぞれ100万kW級のPWR。中国政府は入札条件に4基一括受注という条件を付している。

 今回入札が行われたのは、原子炉を中心とする一次系で、原子炉決定後にタービンを中心とする二次系の入札も行われる見通し。両発電所とも2011年の発電開始を目指す。

 WH社グループが応札した原子炉は受動的安全PWRの「AP1000」(=完成予想図)。同社は昨年9月に米原子力規制委員会(NRC)から「AP1000」の最終設計承認(FDA)を受けた。大きな特徴は、受動的安全性を取り入れ、プラントのモジュール化を進めたこと。プラント全体を五十の大型モジュールと250の小型モジュールで構成、小型モジュールは製作後の現地輸送が可能で、建設期間約36か月を実現。2基目以降は建設費1000〜1200ドル/kWを達成できる見通し。

 これに対抗するフランスのフラマトム社グループは欧州加圧水型軽水炉(EPR)での受注を目指す。

 中国政府は2020年までに100万kW級原子力発電所を30基近く建設する計画を打ち出しており、今回の4基が今後の受注にも大きく影響すると見られる。


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