[原子力産業新聞] 2005年3月10日 第2274号 <4面>

[電力中央研究所] 新潟で地殻構造探査を開始

電力中央研究所と東京大学地震研究所は8日〜24日に、新潟県中越地震の震源地域である新潟県小千谷市から魚沼市小出町に至る全長約22kmの区間(道路上)において、震源域地下深部の地殻構造を解明するための地殻構造探査を実施している。

探査は、@一連の新潟県中越地震を発生させた震源断層の位置と形状の解明A地表近傍の活褶曲・活断層と震源断層の関係の解明B強震動伝搬の媒体となる地殻の地震波速度構造の解明――を行うことが目的。新潟県の小千谷市、北魚沼郡川口町、魚沼市に至る全長約22kmの区間において、「バイブロサイス車」という起振車両を振源とする「反射法探査」および、測線の両端および中央部分で、バイブロサイス車の集中発振(3点)による地殻深部におよぶ構造を明らかにするための「屈折法探査」によって行われる。

なお、探査には石油資源開発の協力により、調査計画策定などで同社が過去に取得した地下情報が利用されているほか、作業については電中研・東大地震研の委託により、地球科学総合研究所が実施。両研究所では今回の探査について、「結果は、今回の地震の源になった地下の断層の状況や、強い揺れを引き起こした地盤の状態を明らかにする上で、重要な資料になる」としている。


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