[原子力産業新聞] 2005年3月17日 第2275号 <1面>

[原子力安全・保安院] 柏崎刈羽1号機漏洩対策を妥当と認める

 運転中の東京電力・柏崎刈羽原子力発電所1号機(BWR、110kW)が、2月4日に原子炉を手動停止した事象について、東京電力は3月11日、原因と対策についての報告書を取りまとめ、原子力安全・保安院に提出した。

 事象は定格熱出力一定運転中の同1号機において、タービン建屋地下2階復水器(A)近くの小口径配管からモヤ状に蒸気が漏えいしていることを確認したことから、原子炉を手動停止したもので、東電は原因と対策について、調査を進めていた。

 調査の結果、復水器近くにある小口径のドレン配管一からの漏えいであり、当該ドレン配管のソケットエルボ出口近くの直管部に、直径1mm 程度のピンホール(貫通孔)を2か所確認。原因について、当該ドレン配管に導かれた凝縮水を含む湿った蒸気がオリフィスを通過し、真空状態の復水器へ向かう過程で急激に減圧されることにより発生した高速の蒸気流により、当該ドレン配管の内面にエロージョンが発生し、徐々に配管の減肉が進展し貫通に至ったため、蒸気が漏えいしたものと推定。

 対策については、@当該ドレン配管については、オリフィス下流から復水器までの全ての配管を同寸法・同材質の新品へ取り替えるA今回の事象等を踏まえ、配管減肉管理における代表部位の選定や点検頻度等の見直しを行い、東京電力の配管減肉管理指針に反映し、復水器に接続されている凝縮水を含む蒸気流の排水配管について、適切に配管減肉管理を実施するBピンホールが確認されたソケットエルボ及びその出口近くの直管部と同様に、超音波を用いた肉厚測定を用いた点検が困難な部位については、放射線を用いた点検を行い、配管の健全性を確認する――とする対策を打ち出している。

 これら対策等について、原子力安全・保安院は「首肯できるものと考える」としている。


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