[原子力産業新聞] 2005年4月14日 第2279号 <1面>

[原産] 第38回原産年次大会 ハイライトから(2)

 日本原子力産業会議は18〜21日の4日間(21日はテクニカルツアー)、柏崎市および新潟市において、第38回原産年次大会を開催する。今号では、19、20日に新潟市の「朱鷺メッセ」(=写真)で開かれる新潟大会の概要を紹介する。

 新潟大会初日の19日は、開会セッションとして幕田圭一東北電力社長を議長に、泉田裕彦新潟県知事と大会準備委員長の長谷川彰・新潟大学学長が挨拶。引き続き特別講演として、A・ビスコンティ・ビスコンティ・リサーチ社社長(=写真右下)による「米国の原子力コミュニケーションと公衆の支持──その新たな時代」、M・パーカー英国原子燃料会社(BNFL)社長(=写真左下)による「英国のエネルギー問題と原子力産業の将来」、岡ア俊雄・日本原子力研究所理事長による、「新たな原子力研究開発の使命を担って」の講演三本が行われる。

 午餐会を挟み、同日午後に開かれるセッション1では、海外プラントでの運転保守・寿命管理の良好事例を参考にしつつ、今後の原子力発電所保修システムの最適化などを議論し、安全確保を大前提とした既存の原子力発電所の効率的利用方策はいかにあるべきかを探る「『マイプラント意識』確立への課題」が、東京大学大学院の班目春樹教授を議長に、パネル討論形式で開かれる。

 明けて20日、新潟大会最終日午前には、わが国と近隣諸国が協力関係のもと、地域発展のための原子力発電開発の必要性を共通認識として持った上で、今後域内で原子力発電が一層拡大していくための諸条件を踏まえながら、各国における原子力発電プラント建設計画に対応した今後の政策や原子力産業の目指すべき方向性を探るセッション2「躍進するアジアの将来――エネルギー需要の増加と原子力発電の拡大」が、議長に神田啓治・エネルギー政策研究所所長を迎え、パネル討論型式で行われる。さらに同日午後には大会最終セッションとして、再処理事業開始を約1年後に控えた時点において、燃料サイクル関連事業者が当面の課題を整理した上で、その確立をより確かなものにするための実行シナリオを描くとともに、独自路線を歩むロシアからその現状や将来計画を紹介してもらい、わが国燃料サイクル事業への参考事例を考える機会とすることをねらったセッション3「原子燃料サイクル実現の実行シナリオを描く」が、講演形式で実施される。

 また同日午後には、「市民の質問と意見交換の会」の開催も予定されている。


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