[原子力産業新聞] 2005年4月14日 第2279号 <2面>

[新刊抄] 「ブライター・トゥモロー」 P・ドメニチ 米国上院議員著

 米議会上院で原子力を強力に推進してきたP・ドメニチ上院議員(共和党、ニューメキシコ州選出)が、「原子力新時代の幕開け」と副題の付けられた新著を発表した。日本語版では、前原子力委員長の藤家洋一氏が監訳、石井保、出澤正人、村田貴司の各氏が翻訳を行った。

 ドメニチ氏は、湾岸戦争の例を取り、間違ったエネルギー政策のために、イラク軍によって米国の国民経済や軍隊が「人質に取られた」とし、「こうした状況の改革のために戦おうとする心ある者が、政治の世界にはほとんどいない」と嘆く。本書を著した理由について、エネルギー政策の過ちを明らかにするとともに、「米国で原子力エネルギーを復活させなければならないことを示すことにした」と述べる。

 第1章「私のビジョン『アトムズ フォー ピース』よ再び」で、同演説と50年前のシッピングポート原子力発電所の建設をふり返ったあと、原子力規制、ウラン資源、原子力の基盤活性化、核拡散、廃棄物処分など、原子力に関わる諸問題を概観。第11章では「未来へのロードマップ」として原子力の将来を展望。エネルギー政策、新規原子力発電所発注、核不拡散の強化、先進的原子力技術の開発、放射性廃棄物の処分問題など、多岐にわたる問題の解決を通じて、「新しい原子力パラダイムへの誓い」を語る。

 ERC出版発行、菊判379頁、定価1900円(税別)。


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