[原子力産業新聞] 2005年4月21日 第2280号 <1面>

[原産] 年次大会新潟大会 泉田新潟県知事が挨拶「地域との信頼関係を」

 大会2日目となる19日は、新潟市の朱鷺メッセ・スノーホールへと会場を移し、開会セッション、特別講演、午餐会および、セッション1が開催された。

 開会セッションでは、泉田裕彦新潟県知事が挨拶。知事は、昨年10月に発生した新潟県中越大震災により県内多くの企業が被災したが、「この時、原子力発電所がどうなるのかが、県民の関心事だった」と述べ、地震発生後、発電所と県庁などとの間で連絡が十分に取れなかったことが課題だったと振り返った。

 同知事はまた、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所が3年前の不正事件により、全号機が停止したことが与えた影響について言及。新潟県は、地域の企業として必要な情報公開や透明性の向上に向けた取り組みを行うよう要請しているが、それでも以前のような信頼関係を築くには至っておらず、「コミュニケーションが今ひとつとれなかった」と述べ、発電所と地域との信頼関係の大切さを訴えた。

 一方でエネルギー問題については、柏崎刈羽原子力発電所が止まると、日本の機能がストップしてしまう現状を強調。新潟でエネルギー供給のことを考え、東京ではあまり意識をしていないという、いわゆる「生産地・消費地における意識の差」をなくしていくことの重要性を述べるとともに、この新潟大会を契機として、それら問題を解決していく新たな一歩が始まることに期待の念を示した。


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