[原子力産業新聞] 2005年5月19日 第2283号 <1面>

[原産] 「供給産業の現状と課題」報告

 日本原子力産業会議は「わが国の原子力供給産業の現状と課題」に関する調査報告をまとめ、17日の原子力委員会に報告した。

 同報告は新規プラント減少に伴う原子力技術の維持継承、人材不足などの問題の顕在化を踏まえ、プラント、素材、部品、建設、工事など70社以上にヒアリングとアンケートを実施、実態把握を目指したもの。市場動向、事業形態の変貌、供給産業の特質や実態、人材・技術の維持継承、今後の見通しなどをまとめた。

 供給産業の特質として、計画性がないと成り立たない事業、許認可や品質のハードルが際立って高い産業などと捉えている。原子力技術を先端的とする企業と成熟的とする企業はともに半数、コア技術は品質保証と経験力との回答。

 設計合理化、製作工程改善、人件費削減などのコスト低減策に取組むものの既に限界との声とともに事業から撤退も散見される。国内産業が空洞化した場合、事故・トラブル時の緊急対応懸念が強い。

 新設計画の遅滞なき遂行、原子力研究開発ビジョンの明確化と計画的推進を強く望んでいる。


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