[原子力産業新聞] 2005年5月19日 第2283号 <2面>

[関電、原電、サイクル機構] 福井県等との安全協定改定

 関西電力、日本原子力発電、核燃料サイクル開発機構の三者は16日、「原子力発電所周辺環境の安全確保等に関する協定書」および「高速増殖原型炉もんじゅ周辺環境の安全確保等に関する協定書」(安全協定)について、このほど福井県ならびに立地市町との間で合意に達したことから、同日改定を行った。

 昨年8月の関西電力・美浜発電所3号機事故等を踏まえての措置で、改定が行われるのは1992年5月以来、およそ13年振りのこと。今回の改定では、協定の目的として「発電所従事者の安全確保」が明記されたほか、「運転再開の協議」、「原子力防災対策」の条項を追加。さらには「適切な措置」や「福井県と立地市町との一体的な運用」、「関係諸法令等の遵守等」の内容が明確化されている。

 具体的には、発電所従事者の安全確保も福井県民の安全・安心を確保する上で重要な課題であることから、協定の目的に「発電所従事者の安全確保」を追加したほか、協定を厳正に運用し安全監視体制を強化する上で、県ならびに地元市町といった自治体の一層の連携強化が重要であるとの観点から、「福井県および立地市町の一体運用」を協定本文に明記。

 さらに、自治体が求める適切な措置の内容として、「原子炉の運転停止を含む原子炉施設等の使用制限」や、「施設および運用方法の改善」等が具体的に記載されており、またこれらを受け、自治体の求めに応じて運転停止した後の運転再開についても、協議の対象とすることも明記されている。また美浜3号機事故を踏まえて、「関係諸法令等の遵守等」の項目には、「品質保証活動の展開」、「高経年化対策の充実強化」などが追加されている。

 一方、原子力災害対策特別措置法や国民保護法の制定を受けた変更もなされており、「原子力防災対策」や「有事対策」について、事業者が求められる取り組み内容として追加されるとともに、関係する条文の追加・修正を実施。またこの他では「覚書」において、国の安全規制の強化を踏まえた項目の追加などが行われている。


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