[原子力産業新聞] 2005年5月19日 第2283号 <4面>

[日本原電] プラズマ溶融処理を開始 雑固体廃棄物を80%以上減容

 日本原子力発電は敦賀発電所構内にプラズマ溶融システムを採用した雑固体減容処理施設の建設を進めてきたが、このほど完成(=写真)し、4月28日から運用を開始した。

 同施設は原子力発電所から出る難燃物・使用済樹脂、無機物・金属、重量物・焼却灰などの低レベル放射性廃棄物を一括処理可能で、溶融により、これら雑固体を約5.4分の1に減容できる。

 溶融は、プラズマトーチと炉床の間で高エネルギーのプラズマアークを発生させ行う。炉床は回転機構を有し、溶融時は毎分25回転で回転、溶融物を炉床に保持しながら均一に加熱する。溶融終了後は回転数が低下し、溶融物を炉床中央部の排出口から冷却モールドに排出、冷却して固化体を製作する。溶融後の固化体中の放射性物質は閉じ込め性の高い金属層とセラミック層に封入できる。

 プラズマトーチ出力は1850kW、処理能力は710キログラム/回、溶融炉は内径2.1m×高さ7.5m。

 同社は1998年に原子力分野で初めてプラズマ溶融システムを採用した廃棄物の減容化を実現するため同施設の建設に着手したが、七年近くを要した工事により完成した。建屋規模は地下2階・地上2階で建築面積1450平方m、延床面積4800平方m。


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