[原子力産業新聞] 2005年6月9日 第2286号 <1面>

[原子力委] 新計画策定会議 次期長計構成案を検討

 原子力委員会の新計画策定会議は7日、第28回会合を開催、次期長期計画の構成案を検討した。安全確保や国民・地域社会との共生、原子力の利用や研究開発の推進、国際的取組みなど、これまでの検討内容をまとめたもの。同委員会はこの構成案の項目・範囲・内容の軽重などについて、今月9日から24日まで、広く国民から意見を募集する。

 構成案は、原子力研究開発利用推進の基本的目標、今後の取組みの基本的方向と考え方等から成る。取組みの考え方は原子力活動基盤の充実、利用や研究開発の推進、国際的取組みなどを記述。活動基盤の充実の中で安全確保、国民・地域社会との共生、平和利用の担保、人材育成などを挙げ、共生では「原子力がもたらす利益やリスク、政策の立案、決定過程、各機関の諸活動の透明性を確保し、積極的な広報活動で得られた意見をこれらに反映することが重要」としている。

 原子力利用では、「エネルギー安全保障や地球温暖化対策から2030年以降も原子力に発電電力量の30〜40%程度という現水準程度か、それ以上の役割を期待することが適切」とし、多くの時間を割いて議論した核燃料サイクル政策に関しては「使用済燃料を再処理し、回収されるウラン・プルトニウムなどは有効利用することを基本方針とし、当面はプルサーマルを着実に推進、再処理能力の範囲を超えて発生する使用済燃料は中間貯蔵することが適切」とする。またFBRは「ウラン需給動向や経済性などの諸条件が整うことを前提に、2050年頃から商業ベースでの導入を目指すことが適切」と記述。

 研究開発では、国は原子力研究開発を基幹的な研究開発分野に位置付けるべきとし、基礎基盤研究(安全研究、量子ビーム技術)、革新的技術概念研究(ITER、水素製造)、革新的技術システム開発(FBR)など各段階毎にその具体例を示した。

 次回会合は6月30日の予定で、意見募集の結果を踏まえ、次期長期計画のドラフトの検討に入る。


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