[原子力産業新聞] 2005年6月23日 第2288号 <1面>

[文科省] 量子ビーム検討会が始動 7月に中間報告

 文科省はこのほど、「量子ビーム研究開発・利用推進検討会」(主査=福山秀敏・東北大材料科学国際フロンティアセンター長)を設置、量子ビーム技術の進展と今後の利用可能性の拡大といった状況を踏まえ、量子ビームに係わる研究開発・利用推進のあり方・方向性について検討を開始した。J−PARC、理研の「RIビームファクトリー」等を主な対象とし、研究開発・利用系の評価検討を行うもの。委員は、大学、研究機関、メーカーなど15名。

 7日の初回会合での原研、理研、高エネルギー加速器研究機構による量子ビーム施設の現状・展望についての報告を受けて、21日の第2回会合では、ライフサイエンス・医療、ナノテク・材料、環境関連、産業界の各分野における量子ビーム技術への期待・課題などが議論された。

 ライフサイエンス・医療分野では、薬物設計に向けた生体高分子結晶解析における水素原子位置情報、エネルギー分野では、水素貯蔵材料と燃料電池用材料の開発で量子ビーム技術への期待が表明された。

 福嶋喜章・豊田中央研究所シニアフェローは、多様な自動車関連材料への中性子散乱適用を反映して、グループ企業からの大型施設のニーズが増加傾向にあることから、J−PARCの早期完成を求めた。

 また、利用者コミュニティ拡大方策として、今瀬肇・茨城県科学技術振興室長は、J−PARCを核とした一大先端産業地域の形成に向け、県中性子ビーム実験装置の整備を進めるとともに、中性子の産業利用を促進する「サイエンスフロンティア21構想」を提唱した。

 同検討会は、@科学技術政策における量子ビーム研究開発・利用の重要性A量子ビーム研究開発・利用で重点を置くべき分野と利用課題B研究開発・利用推進での当面の課題C広範な科学技術分野との連携による利用促進とコミュニティ拡大への方策――を主要課題とし、7月に中間報告を、11月に最終報告をとりまとめる予定だ。


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