[原子力産業新聞] 2005年6月30日 第2289号 <1面>

[原産] 通常総会開く 来年4月「原産協会」発足へ

 日本原子力産業会議は24日、東京・丸の内の日本工業倶楽部で、第54回通常総会を開催、原産改組改革案の概要等について説明、了承された。

 始めに西澤潤一会長は、昨今、原子力発電は不祥事や事故・トラブルによって、社会からの信頼を大きく損ねたと概観。しかし、「まだ決して楽観できる状況ではないが、原子力関係の事故が減ってきた」としながらも、鉄道や航空などの交通機関関連の事故・故障は増えており、「エンジニアリング」という観点からは、安全に関して多くの問題が残っているとの認識を示した。

 宅間副会長は、昨年来進められている原産改組改革について、名称を「社団法人日本原子力産業協会」とし、「政策提言、規制対応、情報発信機能を大幅に強化」、使命の遂行に向けて「自ら戦略的・自立的に対応・行動する組織」へと改革したいとの意欲を表明した。

 新組織案では、会長、副会長、常勤理事、非常勤理事からなる20名程度の理事会の下に、@政策提言機能A規制対応機能B情報発信機能C会員連携・総務機能D国際協力・展開機能E産業基盤強化機能――の六部門を創設。規制対応部門は、原子力発電・燃料サイクル・放射線の安全規制の合理化を推進する。

 理事会には、組織の活動と運営について会員の意見を集約する「経営諮問会議」と、理事会の諮問に応じ業務執行について外部評価を行う「評議員会」を置く。

 新組織は、意志決定を迅速化、重点戦略目標を設定して効果的・効率的に業務を遂行し、自己評価と外部評価により、継続的改善活動を行う。また、活動については透明性を確保、情報の公開を基本とする。

 今後、原産内に発足準備組織を設置、定款の変更や組織等を固め、年内に臨時総会を開催、来年4月の新組織発足を目指す。(2面に総会・特別講演の概要)


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