[原子力産業新聞] 2005年7月14日 第2291号 <1面>

[サイクル機構] FBR用先進再処理技術を開発

 核燃料サイクル開発機構は7日、FBR使用済み燃料に対応する先進湿式再処理技術の成立性を確認したと発表した。高効率溶解、晶析工程の導入、U・Pu・Npの共回収、Am・Cm分離回収による燃料材料化などを実現、抽出工程は遠心抽出器を全面採用する。

 高効率溶解は現在のせん断片溶解に対し、粉体化により短時間で高濃度の溶解液を得るもの。晶析は高濃度溶解液の温度を下げUだけを回収、後段の抽出工程の負担を軽くする。

 U・Pu・Npの共回収は低除染度を許容できるFBRの特性を活かすもので、これまで2〜3段の溶媒抽出工程を一段に簡略化。Npも燃料に使用することで廃棄物を削減、Puを単離しないため核拡散抵抗性にも優れる。共回収後にAmとCmを分離回収し、これらも新しい燃料の材料とすることで廃棄物の低減を実現する。

 

 FBR使用済み燃料の再処理において粉化溶解試験、晶析、共回収などの技術成立性を確認したのは世界でも初めて。


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