[原子力産業新聞] 2005年7月21日 第2292号 <2面>

[原技協] 北電・泊の相互評価結果を公表

 日本原子力技術協会は11日、同協会発足後初の相互評価(ピアレビュー)を実施した北海道電力・泊発電所の評価結果を公表、石川迪夫理事長が近藤龍夫社長を訪ね報告書を手渡した(=写真)。原子力安全に対する一貫した意識付けを確認、直ちに改善措置が必要な項目は見出せないと評価している。

 ピアレビューは5月25日から3日間実施。組織・運営、放射線防護の分野と教育・訓練、運転・保守、特定評価項目の分野に分け、現場観察や関係者との面談および書類確認などの方法で行った。

 泊発電所は品質マネジメントシステムを導入、社長が定めた「品質方針」に基づき所長が「品質目標」を設定。各課でも「品質目標」と目標達成のための「実行計画」を策定し周知・徹底。コンプライアンスや労働安全にも力を入れており、管理者が率先して安全への取組み実証していることを確認した。また、同じPWRとして美浜発電所二次系配管破損事故を重く受け止め、適切な対応を実施していることも確認した。

 広く紹介すべき良好事例と改善提案も示しており、良好事例では、@「重大災害リメンバーウイーク」の設定と実行A運転経験から学んだ教訓やノウハウなどの「運転要領」への明記B教育・訓練における原子力訓練センターとの連携――などを上げた。改善提案は「トラブル情報検討要領」内のフロー図の工夫としている。

 同協会では7月5日から3日間、東北電力・女川原子力発電所でピアレビュー実施しており、8月上旬には評価結果を公表予定。


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