[原子力産業新聞] 2005年7月28日 第2293号 <4面>

[原研・東海研] 減容処理棟試験運転開始 今月から放射性廃棄物を搬入

 日本原子力研究所は今月から東海研究所高減容処理施設(=写真)減容処理棟の一部試験運転を開始した。今年9月頃から前処理施設、同10月頃から高圧圧縮装置などの設備も試験運転を開始する予定。

 高減容処理施設は低レベル放射性廃棄物の減容・安定化を行う施設で、大型金属廃棄物を解体・分別・除染し保管する解体分別保管棟(99年に供用開始)と今回一部試験運転を開始した減容処理棟から成る。

 同処理棟は、廃棄物を溶融設備や高圧圧縮装置で処理し、三分の一から六分の一に減容するとともに、金属ブロックやセラミック質ブロックなどの安定な形状に加工する。03年2月に完成、これまで非放射性模擬廃棄物を使用した試運転を実施してきたが、今月から放射性廃棄物の搬入を開始。まず放射能測定やX線透過・X線CTにより内容物確認を行う廃棄物測定装置の試験運転を開始した。

 同処理棟には金属廃棄物を溶融する金属溶融設備や難燃物を焼却し不燃物を溶融する焼却・溶融設備なども設置しているが、これらの設備については各種の運転データ収集を行うため、非放射性模擬廃棄物を使用した運転を継続する。


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